【かべおとこ】

 

 

 

既に壁や天井を体で支えながら、

 

「ここは、俺たちに任せろ、お前たちは先に行け!

早く早く!生きろ!」

 

とやっている者、

必死に壁を丹念に調べて抜け穴か逃げ道を見つけようとする者、

とにかく壁や天井に体当たりしたり蹴ったりしている者、

何でもいいから八つ当たりする人、

ひたすら死を待ち何もしないでいる人や

うろたえる人、泣き出す人、

現実を見なかったふりをしてまた幻想に戻る人、

幻想に戻ったふりをしながら他の人の様子を伺い、

逃げ道ができたら我先に逃げようとする人…

 

俺が生きて変わるものもあるかな、と賭けをする

 

根源的恐怖、あらゆるものに対する不信という スティグマ。

その傷痕は、 禁止、命令、しなければいけないという強迫 といった他人から押し付けられるもので疼く。

自己否定、拒絶で大きく疼く。

傷は脳の中にある。 興味深い研究。

 

いやされない傷、友田明美。 http://mytown.asahi.com/kumamoto/news.php?k_id=4400013120...

 

元通りにはいやされないだろう。

でも、ぽんこつならぽんこつなりの弾け方で 元通りに典型的な脳という想定を上回るような 驚異的な特殊な脳になるかもしれない。

どうなるかはわからない。 アンパンマンの歌は深いね。

 

だから、わるあがきでもがいて傷だらけで のたうちまわって静かに声もなく絶叫するのだ。

おちおち死んでる場合じゃねえ。

政治や規制、外交と領土、経済不況、悪徳企業、就活難民、

じわじわと天井が降りて、壁も迫ってくる、

余裕(ルーム)が失われていく、

そんなダンジョンルームに、

いつのまにか俺はいたんだってことに気がついた。

 

保護されながら不満もあるけど、 普通にみんなと同じようにぬくぬくしていたと思ってた、

が、違った。

それは幻だった。

周りを見渡すと、かつての俺と同じように幻を見ながら さ迷う人が沢山いるのに気がついた、

老若男女、こどももおとなも、同じルームに。

 

ためしに大人に声をかけたが届かなかった、

昭和の幻を見ていたのだろうか。

一方、こどものほうがなんとなく危機があることをわかっていた。

 

一部のおとなもまずいとわかっていて、

なんとかしようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

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