【光る男】

 

 

 

この世で一番、最高級といわれるレストランに

私と夫、ふたりで出かけました。

 

 

そのお店は海岸沿いにあるのですが、

蜃気楼のように現れたり消えたりすることで有名で、

遭遇するのも難しいとの噂です。

 

 

夫と私は海岸沿いを静かに歩き、

浜辺にすわって暮れかけた夕日に染まる海を見ていました。

 

 

夫の表情を見るのも難しいくらいに、あたりの闇が深くなると

浜辺のずっとむこうから、男性が歩いてきました。

 

 

こんな暗い中でなぜそれが分かったかとゆうと、

その男性は全身が発光していたからです。

 

 

その男は私たちに近づいてきました。

近づくと、その光る男はとても背が高いことが分かります。

 

 

 

「ご予約の方ですね?」

 

 

「はい」

 

 

 

夫がそそくさと立ち上がりながら返事をした瞬間、

私たちは真っ白いクロスのかかったテーブルに座っていました。

 

 

 

「さすがに噂どおりね。」

 

 

私と夫は笑い、ゆったりとした店内のムードにすぐに溶け込んでいきました。

 

 

このお店のウエイターの男はみな発光するようで、

顔は判別できないものの、

さっきとは別の光る男が、異様な大きさの機械を積んだ、コードがぐるぐる巻きついた台をひいてこちらにやって来ました。

 

 

 

一礼。

 

 

 

 

透明なソースのお椀に、ルーペのようなものをかざす。

 

 

 

 

 

すると不思議なことに、ソースはルーペに吸い込まれていき、

 

 

 

機械がぐうううんんぐうううううんんんと、うなりだした。

 

 

 

 

 

ポーン

 

 

 

 

 

 

エメラルドグリーンのライトが、チェリーピンクに変わりました。

 

 

 

 

 

するとウエイターが新しくとりだしたルーペから、

 

 

 

さっきの透明なソースがお椀に注がれていきました。

 

 

 

 

 

 

バリッ!バリッッ!!バリリッッ☆☆

 

 

 

 

 

すごい音だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうぞ。これに浸して、お召し上がり下さい。」

 

 

 

 

 

男性は私たちに微笑みかけた。

 

 

 

 

 

 

 

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