【みずうみ】
湖(みずうみ、英語:lake)は、
湖沼のうち比較的大きなものであり、一般には水深 5 - 10 m より深いものを指す。湖沼学や陸水学に基づく定義、水質、形成要因などについては湖沼を参照すること。 中国において「湖」とは陸地を広く覆う水域を表す言葉であり、特に中国最大の湖であった洞庭湖のことを指して用いられることもある。例えば洞庭湖の南北に位置する地域は湖南省あるいは湖北省と呼ばれている。
日本において古くは「水海」(みずうみ)あるいは「淡海」(あわうみ)と呼ばれており、淡水からなる水域を表していた。例えば神西湖の古名は「神門水海」(かんどのみずうみ)、浜名湖(古くは淡水湖であった)の古名は「遠つ淡海」(とおつあわうみ)である。 ただ、淡水と海水が混じっている汽水湖があることや、十分に大きな湖だと海のように見えることもあり、湖と海の概念の区分は必ずしも明確ではない。
ドイツ語 See には「湖」「海」の両方の意味があるし、仏 mer・西 mar・伊 mare・独 Meer は「海」を意味するのに、同語源の蘭 meer が「湖」の意味だったりする。
また、カスピ海・アラル海のように、明らかに湖であるにもかかわらず「海」の呼称が付いている例もある。
文化 [編集]
湖はその奥深さと静謐さのため様々な伝説が語り継がれてきた。世界中の多くの湖には怪物や神聖な生き物が住むという伝説があり、離れた場所にある湖が地下でつながっているという伝説も見られる。イシク・クルや猪苗代湖などには湖底に沈められた街や村についての伝説が残されている。 美しい湖はしばしば宝石にたとえられる。例えばロシアのバイカル湖は「シベリアの青い真珠」、トルコのエーリディル湖は「アナトリアの青い宝石」と呼ばれる。
交通 [編集]
波浪の穏やかな湖はしばしば水運のために利用される。特に五大湖や太湖は周辺に運河を巡らせ、地域における重要な輸送拠点となっている。ボーデン湖はライン川水運の拠点であり、チチカカ湖はボリビアとペルーを結ぶ重要な交通路の一つとなっている。日本においても琵琶湖はかつて北陸地方と畿内とを結ぶ輸送路として利用されていた。
人造湖
人造湖(じんぞうこ、英語: artificial lake[1])とは、人為的に造られた湖のこと。人工湖(じんこうこ)ともいい、またそのような水を貯める施設を貯水池(ちょすいち)、貯水湖(ちょすいこ)などという。人が建設したダムによって河川が堰き止められた結果出来上がったダム湖(ダムこ)はこれらに含まれる。 自然湖あるいは天然湖(人の手によって造られたものではない、天然に存在する湖)に対して、この言葉が用いられる。
目的 [編集]
人が人工的な湖を造る理由は、水力発電、灌漑、上水道、工業用水道などに利用するため(利水)、大量降雨時の河川の水量を調節して洪水を防ぐためである(治水)。そのため、ある一定の位置に水を貯えるための容器となる湖を作り、そこから水を引くことで半ば安定して水を供給することが可能としている。
問題 [編集]
詳細は「ダム#ダムを取り巻く問題」を参照
特に大規模なダム湖においては、設置前と設置後とでは付近の環境ががらりと変わるため、自然環境を主として非常に大きな影響を及ぼすほか、設置後も様々な問題が噴出することがある。
有名な人造湖 [編集]
ヴォルタ湖 - 世界最大の人造湖
朱鞠内湖 - 日本最大の人造湖
ガトゥン湖 - パナマ運河完成時の世界最大の人造湖
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